語り
昔はね、人に言われたとおりにやるのが嫌いだった。
納得できることだったらできたけど。
去年かな、情熱大陸で二宮が「監督の指示通りに染まるだけ。自分がどうとか関係なく」というのを聞いて、
そんなもんか〜と軽く衝撃を覚えたんだけど、
でもね、今ならわかるんだよ。
その場で与えられた役割をこなすのが大切だって。
もしかしたら、解釈の仕方が違うかもしれないけれど、
その場でこなすことが大変だから、だから大切なんだっていうのでなくて、
その場で自分の考えとは違うものになっても、その中に自分がいればいいんだって。
例えば、私のお仕事。
私の本当は獣医さんで、病院で働くものですが、
今は学校で先生をしています。
これは本当の私の姿ではない、とか、やりたくてやってるわけではない、とか反発心だらけでした。
でも、考え方次第なんだ。
本来の姿ではないかもしれんが、その先生の中に自分らしく獣医さんを見つけりゃいいんだ。
多分、こわかったんだ。
他人の言うとおりに動いたら、自分がなくなっちゃうような気がして。
自分の意思がそっちのけになっちゃうような気がして。
でも、今、自分がどっかりと存在してる状態だから、
他人の言うとおりに動いても、ちっとも怖くない。
だって、他人の中にも私がいるから。
私本来は変わらないから。
妃菜のおかげかなぁ、こう思えたのは。
なんでだかわからないけれど、強くなれてる。
守るものができると、人は強くなれるのかもしれない。
妃菜を理由に強くなれてるのかもしれない、というのは、なんだかちょっと卑怯な気もするが。
いいんだ、誰に迷惑かけるでもないし。
関係ないけど、榎本ちゃんがバンド組んでた。そりゃそうか。
頑張ってるんだなぁって思った。
一緒に撮ったあの写真。あの笑顔がホントに好きで。
ロストはなんだかよくわからないけれど、
せっかく大きく売れそうだったのに、どんどん小さくなっちゃって、
でも私は榎本ちゃんが好きだったから、あんまり気にしてない。
山田にしろ榎本ちゃんにしろ、なんだか想いを秘めている感じをにおわせる人に惹かれてしまう。
モモは…案外あのまんまだからな。
私は強くなった。だから、もっと優しくなれるんだ。